お知らせ

★お知らせ
 【2015年カレンダーは2種類!】A4ポスタータイプ(縦)と2013年までと同様のA4冊子タイプ(横、上開き)の2タイプです。全部がツシマヤマネコの写真です。
 冊子タイプは間もなく完売です!

2012年12月30日日曜日

新米をいただきます!

松本さんがお米を収穫したのは10月2日。
・2012年10月4日投稿:お米の収穫
http://240yamaneko.blogspot.jp/2012/10/blog-post.html

今はこの新米をいただいています。
炊きたてのお米
お米がおいしいので、まずおにぎりで食べてしまいます。
食べ過ぎてしまいます。

「新米」に対して「古米」という言葉がありますが、何を新米と言うのかご存知ですか?

「新米」とは、収穫(生産)された年に精米されたお米の事。
・米穀機構米ネット:お米Q&A新米とはいつからいつまでのものをいうのですか?
http://www.komenet.jp/faq/ip02.html

お米の味は、保護状態にもよりますが、精米してから2週間程度経つとだんだん落ちていくそうです。
そうすると、おいしく「新米」を食べられるのはあとちょっとということになりますね。

もちろん劣化の原因(高温・多湿・酸化)などを防ぎ、をきちんと保存していれば、おいしく食べられる期間は長くなります。
・らいすママ店主のブログ:精米したてのお米がおいしいの?
http://ricemama.blog119.fc2.com/blog-entry-68.html
・備える.jp:お米(白米・玄米)が劣化する原因
http://sonaeru.jp/provision/rice/tt20120201a01/

せっかくならおいしく食べたいですよね。

ちなみに、ご飯がより一層おいしく見えるこのお椀は、厳原町にお住まいの某先生の作です。
いいでしょう♪

2012年12月26日水曜日

2012年カレンダー人気投票!上半期結果と下半期受付開始

25日まで実施していた第9回投票は、2012年カレンダー写真、上半期人気投票。
選択肢は1月から6月で、複数投票可能でした。

それぞれの写真は↓でご覧ください。
・11月27日投稿「【投票】第8回結果+第9回は2012カレンダー人気投票!」
http://240yamaneko.blogspot.jp/2012/11/892012.html

さて、各月の写真とその結果は・・・
 1月:ツシマヤマネコ  2票(67%)
 2月:ツシマジカ
 3月:コウライキジ    1票(33%)
 4月:コウライウグイス
 5月:ヤマショウビン
 6月:ヤイロチョウ    1票(33%)

投票参加者数は3で投票数の合計は4。
相変わらず少ないですが、それなりに楽しんで(?)くださる方もいらっしゃるようなので、投票してくださる方がいれば続けるんです!

さて、上半期は鳥が4枚、哺乳類が2枚でした。
下半期は哺乳類が4枚ですが、昆虫や風景写真も入ってます。
第10回投票は下半期のカレンダー写真人気投票です。
皆さんはどの写真がお好きですか?

7月:ゲンジボタル
8月:ツシマテン(夏毛)

9月:千俵蒔山にかかる虹
10月:チョウセンイタチ

11月:ツシマヤマネコ
12月:ツシマテン(冬毛)
あ、来年のカレンダーはもう用意されましたか?
2013年も対馬の生き物たちが色々登場します。
まだの方はぜひご購入を!!


2012年12月23日日曜日

ブログ開設丸1年

このブログを開設して丸1年になりました。

最初の投稿の日付は2011年12月25日になっていますが、ブログを開設したのは実は24日で、翌日あれこれいじっていたらこの日付になってしまったのです。

あの頃はまだ書き込み方とか全然わからず、試行錯誤でした。
今もまだわからないことがたくさんありますが、どうにか1年続けてこられました。
これもご覧いただいている皆様のおかげです。
ありがとうございました。

ブログのページビューは、現在3082。
(最初は自分が見たのもカウントされていたので、皆様に見ていただいた正確な回数ではありませんが・・・)

ちょっと滞ってしまったり、タイトルと合わないかもと思うような事も書いたり、タイトルらしい事を書いてなかったりしてますが、長い目で見ていただければ幸いです。

今年も残りわずかで、年内に何回書き込めるかわかりませんが、ぼちぼち続けていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


2012年12月14日金曜日

12月、今年最後のカレンダー

今年もあと○日・・・というのを耳にするようになりました。

そんな師走のカレンダーはこちら↓
柿の木に登っているツシマテンです。

今年のカレンダーには2回目の登場で、7月の左下に出てきています。
この時は夏毛ですが、すっかり冬毛になったツシマテンは別の動物のようにも見えますね。
・7月9日投稿「7月のツシマテン」
http://240yamaneko.blogspot.jp/2012/07/7_09.html

冬毛のツシマテンは頭が白い事から、昔は「わたぼうしかぶり」と呼ばれていました。
そして「やまねこ」とも。
昔はツシマヤマネコもツシマテンも「やまねこ」で、ツシマヤマネコが「とらやま(虎毛のやまねこ)」、ツシマテンは「わたぼうしかぶり」と呼んで区別していたそうです。
今でも年輩の方にはそう呼んでいる方もいるようですが、若い人は知らない人もいるかもしれません。

ツシマテンは、食肉目イタチ科テン属に分類されます。
テンの仲間は、食肉目の中でもかなり植物を食べていて、特に果実が豊富な秋には、食べ物として利用するのは果実が中心になるようです。
柿の種が入った糞もよく落ちています。
野イチゴが多い5月頃の糞は、イチゴジャムみたいに赤くていい香りです(笑)。

ツシマテンの糞は対馬のいたるところに落ちていますので、中に何が入っているか、見てみませんか?
そんなところで季節を感じるのも面白いのではないでしょうか。

2012年12月4日火曜日

2013年カレンダー販売中♪

12月になりました。
食料品売り場に鏡餅が、本屋さんには年賀状用のイラスト集などが並び、私もそろそろ新年を迎える準備を始めないと、と思う今日この頃です。

11月4日にもご紹介しましたが、対馬のいきものたちの写真を使った2013年のカレンダーが販売されています。
・2012年11月4日投稿:2013年カレンダーができました
http://240yamaneko.blogspot.jp/2012/11/2013.html

今回は、この裏表紙をご紹介します。
ちょっと文字が小さくて読みにくいかもしれませんが、対馬とツシマヤマネコ、そして撮影者の川口誠さんについて説明した文章が載っています。
クリックすると拡大します
新年になればいつも裏側になって目につかない所ですが、野生のツシマヤマネコの姿がとても自然な感じで撮影されているいい写真だなぁと思います。
対馬やツシマヤマネコの事を知らない方に、名前は知っていても詳しくは知らなかい方に、プレゼントするというのはいかがでしょう?

2012年11月27日火曜日

【投票】第8回結果+第9回は2012カレンダー人気投票!

第8回投票が終了しました。
質問は「カレンダーを買う?」で、選択肢は4つ。
そして投票数は2票でした・・・。

以下、選択肢と結果です。
1)毎年買う       1票(50%)
2)時々買う       1票(50%)
3)買わない(もらう)
4)買わない(使わない)

私の場合、以前はお店などでもらったものを使っていたのですが、最近はあまりもらうこともなくなりましたし(作らなくなったところが多いですよね)、川口さんがカレンダーを作るようになって、毎年これを買って使うようになりました。

第9回はその2012年カレンダーのおさらい+人気投票(前編)にしたいと思います。
1月から6月のカレンダーに使われた写真を載せますので、お好きな写真に投票してください。
いつもは1人1票しか投票できないようにしていますが、今回は複数投票も可能にしていますので、これはと思うものにどんどん票を入れてくださいね。

皆さんはどの写真がお好きですか?

1月:ツシマヤマネコ
2月:ツシマジカ


3月:コウライキジ


4月:コウライウグイス
5月:ヤマショウビン
6月:ヤイロチョウ

2012年11月20日火曜日

11月のカレンダーその2:ウラジロガシのどんぐり

11月のカレンダーの左下にあるのはどんぐり。
どんぐり(団栗)というのはブナ科(特にコナラ属)の果実の総称で、これはウラジロガシのどんぐりです。


ウラジロガシ(学名 Quercus salicina )はブナ科コナラ属の常緑広葉樹。
漢字で書くと「裏白樫」、葉っぱの裏が白い樫の木です。
日本では新潟県から宮城県以西と四国、九州に分布しているそうです。

ウラジロガシは昔から胆石や尿路結石症などの民間治療薬として用いられてきたそうですが、臨床実験で効果が示され、ウラジロガシエキスは病院でも使われる事があるそうです。

葉っぱを干し、煎じて飲んだりするそうで、「紅茶風の味」だそうですよ。

ちょっと試してみたいですね。
・イー薬草・ドット・コム 薬用植物一覧表:ウラジロガシ
http://www.e-yakusou.com/yakusou/035.htm

ウラジロガシのどんぐりは濃褐色(濃い茶色)で、長さが2cm前後だそうです。
他のどんぐりと比べると、やや細長い感じがします。
・徳島県の樹木:ウラジロガシのどんぐり
http://tokushimazyumoku.la.coocan.jp/ha-mi-manabi/donguri/uragirogasi/uragirogasi.html

対馬ではウラジロガシのほかにもどんぐりをつくる木が色々ありますから、どんぐりの違いを見たり、食べ比べてみたりするのも面白いですね。
でも、拾う時には他の生きものたちが食べる分を残しておいてくださいね。
・This is APEC's Homepage:どんぐりを食べよう!
http://www.pejp.net/act/donguri/index.htm

2012年11月14日水曜日

11月のカレンダー

11月も半ばですね。
遅くなりましたが、今月のカレンダーをご紹介します。
今月は暗闇の中のツシマヤマネコですね。
この写真ではライト(フラッシュ?)のために目の中の瞳孔が細くなっていますが、本当の暗闇ではまん丸になります。

イリオモテヤマネコの瞳孔は、どんなに明るくてもイエネコほど細くなる事はないのだそうです。
ツシマヤマネコでもそうなのかもしれませんが、観察するのはなかなか難しいですよね。

2012年11月11日日曜日

「川口誠」って誰?

こちらで使用している多くの写真の撮影者&ご紹介しているカレンダーの作者である川口誠さん。
って誰?という方いらっしゃいますよね、きっと。
そんな方はこちらを↓
http://satoyamabasket.net/contents/cmenu-19.html

ちなみに、リンク先にある対馬野生生物保護センターのHPは
http://kyushu.env.go.jp/twcc/index.htm
へ変更されていますのでご注意くださいませ。

川口さんはご自身が撮影した数々の写真を使い、対馬のカレンダーを作成しています。
いつからだったか・・・

2011年のカレンダーはズバリ「ツシマヤマネコ」でした。
・対馬市福岡事務所レポート:いつもツシマヤマネコをながめていたい人へ
http://tsjfuk.exblog.jp/14831805/

2013年は対馬のいきものたちです。
・2012年11月4日投稿:2013年カレンダーができました
http://240yamaneko.blogspot.jp/2012/11/2013.html
対馬や対馬の自然に興味のある方にお勧めします!

2012年11月8日木曜日

お米の品種「ヒノヒカリ」

今、日本のお米にはどのぐらいの品種があるか、ご存知ですか?

品種とは「コシヒカリ」とか「ササニシキ」とかいったもので、300品種以上があるそうです(正確な数は農水省ですらわからないのだとか)。
・米辞典:日本の米の種類
http://www.iy-place.net/nihon-no-kome/
・農林水産省:こどもそうだん「日本で作付けられている稲(いね)の品種(ひんしゅ)の数をおしえてください」(平成12年4月回答)
http://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0004/03.html

そして、今も品種改良が続けられ、新しい品種がどんどん増えています。
・日本経済新聞:コメの新ブランド、なぜ増える 背景に温暖化も 2012/10/20付)
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO47437820Z11C12A0W14001/

田ノ浜で松本さんらが作っているお米は「ヒノヒカリ」というもので、九州地方ではさかんに栽培されている品種です。

コシヒカリと黄金晴(こがねばれ)という品種を交配して誕生したもので、食味評価(水分やたんぱく質などの成分を数値化して味を評価するもの)ではコシヒカリよりも上回る評価を得たりもしているようです。
冷めてもおいしいというのが1つの特徴だそうです。
・久保さんちのお米:ヒノヒカリってこんなお米です
http://kubosantino-okome.com/introduction.html
・お米大好き.net:お米の品種 > ヒノヒカリ
http://xn--ogt316e.net/330hinsyuk/rice020.html
・米穀機構米ねっと:お米の品種いろいろ
http://www.komenet.jp/_qa/kome_hinshu/index.html 

みなさんはどの品種をお召し上がりですか?
まだヒノヒカリを試した事のない方、この機会に対馬の減農薬栽培のヒノヒカリをお試しになりませんか?(詳細はページ左下をご覧ください。)

2012年11月4日日曜日

2013年カレンダーができました

11月になりました。
いつもならここで今月のカレンダーをご紹介するところですが・・・

あちこちでイルミネーションの点灯式があったり、年賀状の発売が始ったり、年末や来年に向けた準備が始まりましたよね。
そしてカレンダーも。

いつもご紹介しているカレンダーも2013年版ができました!
2013年も、川口誠さんが撮影した対馬のいきものたちの写真を毎月1枚ずつ使っています。
サイズはA4、開くとA3になります。
中はこんな感じです

1月はツシマヤマネコですが、2月はマナヅル、他にゲンジボタルやヤマショウビン、ヒゴタイ(植物)などが登場します。

皆さんも、対馬のいきものたちと一緒に1年をお過ごしになりませんか?
トップページ右下でもご紹介していますが、ご希望の方はメールでお問い合わせください。

2012年10月31日水曜日

10月のカレンダーその2:アムールカナヘビ

10月ももうほんのわずかで終わろうとしているところですが・・・
駆け込みで今月のカレンダー左下にいるアムールカナヘビをご紹介します。

アムールカナヘビ(学名:Takydromus amurensis)は、爬虫綱有鱗目トカゲ亜目カナヘビ科クサカナヘビ属に分類されるカナヘビです。
日本では対馬にだけ分布していますが、沿海州(ロシア極東部)アムール川周辺から朝鮮半島に分布しています。
種小名 amurensis は「アムール産の」のという意味です。

環境省第4次レッドリスト(2012)では準絶滅危惧(NT:現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種)になっています。

長崎県のレッドリストでは、2001年に準絶滅危惧(NT)だったものが、2011年の改定で絶滅危惧Ⅱ類(VU:絶滅の危険が増大している種)にランクアップしています。
長崎県の2001年レッドリストによると、対馬の中でも分布に偏りがあり、南部では見られないようです。

沢沿いの草むらなどを好むようですが、非常に臆病で危険を感じると俊敏な動きで穴の中などに逃げ込みむそうです。

・じゃぷれっぷ in FIELD Star :アムールカナヘビ
http://homepage3.nifty.com/japrep/lizard/kanahebi/text/amu-ru.htm

また、「カナヘビ属(Takydromus)の中では若干変わっていて、地中の穴を利用することが多く、すぐに穴に隠れる。そのような穴がある好適なハビタットが少ないので、林道開発などの影響を受けている。」のだそうです。
・東海大学札幌校舎 竹中研究室:日本のカナヘビ類
http://members3.jcom.home.ne.jp/takydromus-sp/takydromus.html


アムールカナヘビも、ツシマヤマネコと同じように大陸と陸続きの時に対馬にやってきて、海面の上昇によって対馬が島になってからも(約10万年前と言われています)、ずっとこの島で暮らしている動物です。
時々ツシマヤマネコに食べられているようですが、こうした動物たちがいるからこそ、ツシマヤマネコも生きていけるのです。
また、昆虫などのさらに小さな動物がアムールカナヘビを支えています。

ずっと対馬に生息してきた色々な動植物が(時には食べたり食べられたりしながら)、いつまでも暮らせる対馬であってほしいなぁと思います。

2012年10月27日土曜日

第7回投票結果+「ネコ」って?

第7回投票「あなたはイヌ派?ネコ派?」、9月末から受け付けていた投票は25日に締め切りました。
投票数は・・・ない・・・0です。
しかし、締め切り前日には3票入っていたのです!
どうやら何らかのエラーが発生したようです(涙)。

そのため、私の記憶に基づいて結果発表します。
直前に投票していただいた方もいたかもしれませんが、そして私の記憶がまちがっているかもしれませんが、どうぞご容赦ください。

選択肢と投票数は以下の通りです。
・イヌ派      0票
・ネコ派      2票(66.7%)
・どちらでもない 1票(33.3%)

ツシマヤマネコのブログですから、ネコ派が多いのは予想通りです。
でも、「ネコ」って何を指すのでしょう?
イエネコ?ヤマネコ?小型ネコ?(ライオン・トラなどを大型ネコ、ヤマネコ・イエネコやピューマなどを小型ネコと呼んだりします)
イヌとネコと並べて書いたので、「イヌ科」「ネコ科」と思われた方もいたかもしれませんね。

生き物の名前は、国によって呼び方が変わりますが、学術的にはそれらを統一するためにラテン語を使って命名されています。
また、似たものをまとめたグループにも名前がつけられています。
ツシマヤマネコの場合、脊椎動物の哺乳類の食肉類のネコ科のベンガルヤマネコの亜種のツシマヤマネコなどと言ったりしますが、学術的に書くと・・・
動物界 Animalia
 脊椎動物門 Chordata
  哺乳鋼 Mammalia
   食肉目 Carnivora
    ネコ科 Felidae
     ベンガルヤマネコ属 Prionailurus
      ベンガルヤマネコ Prionailurus bengalensis
       ツシマヤマネコ(アムールヤマネコ) Prionailurus bengalensis euptilurus
となります。
正確に言うと、私が使っているのはこれですが、研究者によって分け方が異なったり、それぞれのグループの名前が違っていたりします。

そのため、文部省(現 文部科学省)がこれらの用語を統一するために、「学術用語集」というのを出しています。
動物学についての最新版は、1988年丸善出版発行、文部省・日本動物学会編の「学術用語集 動物学編(贈訂版)」なのですが、この時に「目」以下の名前はそれまでに使われていた漢字の名前から、それぞれの動物群を代表する動物名のカナ書きに変える改定がされました。
そして「食肉目」は「ネコ目」とされたのです!
なので、ネコと言えば食肉類と思う方もいるかもしれません。
つまり、イヌもネコ!・・・かも?

しかし、日本哺乳類学会はこの「文部省式カタカナ目名」は混乱を招く恐れがあるなどの理由から批判的で、種名・標本検討委員会の中に目名問題検討作業部会を作り、日本語名称を提案しています。
そして、食肉目は「ネコ目」とするよりも「食肉目」のままがいい、としています。
・哺乳類の高次分類群および分類階級の日本語名称の提案について(哺乳類科学、43(2):127-134、2003)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/43/2/43_2_127/_pdf
(10/28 リンクを貼り直しました)

イヌとネコは仲間(同じ目)ですけど、イヌがネコの類(ネコ目)というのはやっぱり抵抗がありますね。

2012年10月24日水曜日

10月のカレンダーはチョウセンイタチ

すっかりご無沙汰してしまい、10月ももうあと1週間ですが・・・今月のカレンダーの「チョウセンイタチ」をご紹介します。
(右側が光っているのは照明の反射です)

対馬に生息する在来の食肉目の動物は、ツシマヤマネコとツシマテン、そしてチョウセンイタチの3種です。
ツシマヤマネコとツシマテンは、文化財保護法で国の天然記念物に指定されていますが、チョウセンイタチは指定されていません。
しかし、環境省のレッドリストでは、準絶滅危惧種(NT)「存続基盤が脆弱な種」になっています。

チョウセンイタチ(学名:Mustela sibirica coreana)は、世界的にみるとかなり広く分布しており、「タイリクイタチ」や「シベリアイタチ」とも呼ばれる事があるようですが(和名をシベリアイタチとした方がよいという人もいるようです)、日本での自然分布は対馬だけです。
対馬(島)という限られたにいるため、準絶滅危惧種になっているのだと思います。

ただし、「自然分布は」と書いたのは、本州西部や四国・九州やその周辺の島に、大陸から移入した(させられた?)らしいチョウセンイタチいるからです。
そして、そういった地域には在来種のイタチ(Mustela itatsi )がいて、近年は外来種であるチョウセンイタチが優勢になったせいで山間部に追いやられているのだそうです(阿部ら、2005「日本の哺乳類 改定版」)。
しかも、一見しただけでは区別がつかないそうで(チョウセンイタチの方が大きいようですが)、正確な分布が把握できなくなっているそうです。
このため、チョウセンイタチ=外来種 と勘違いしている人もいるようです。
・国立環境研究所 侵入生物データベース:チョウセンイタチ
http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10180.html

対馬ではほぼ全域に生息しているのではないかと思いますが、どちらかというと南の方に多いような気がします(多分きちんとした調査はないのではと思います)。
特に、上県町などでは、ヤマネコやテンよりも見る機会は少ないのではないでしょうか。
沢をよく利用しているようなので、目につきにくいのかもしれません。

本州などだと、イタチはずる賢く、テンは臆病で目につきにくいというイメージがあるようです。
対馬だと逆ですよね。

チョウセンイタチはツシマテンと同じような体色をしていますが、ツシマテン(体重1kgちょっと)よりも小さく、さらにメスの体重(約400g)はオスの半分程度で、鼻の周りが白いのが特徴です。
ツシマテンはぴょこぴょこ走る感じですが、チョウセンイタチはシュルシュルっと走っていくような感じです(わかるでしょうか?)。

ツシマヤマネコは完全な肉食ですが、ツシマテンは果実をよく利用しています。
チョウセンイタチも果実を利用するようですが、昆虫やムカデなど、肉食の割合が高いようです。
生態系の上位にいる食肉目3種が島に生息しているというのは、結構珍しい事のようです。
対馬にはそれだけの種を維持できる豊かな環境が、高い生物多様性があるという事なのだと思います。
3種を一緒に調査できればもっとよくわかるのでしょう。
また、ツシマテンやチョウセンイタチを調べることで、ツシマヤマネコを増やしていくための方法も見つかるのかもしれません。

もっとチョウセンイタチにも興味をもってもらえたらいいなぁと思います。

2012年10月8日月曜日

お米の販売

松本さんが田ノ浜で作ったお米、販売します!
(正しくは、松本さんへの注文を受け付けます!です)

これは減農薬で作ったものです。
松本さんは「田ノ浜ツシマヤマネコ共生農業実行委員会」の一員で、神宮さんと一緒に「特別栽培米」表示に向けて農薬・化学肥料の当地比5割減でのお米づくりに取り組んでいます。
・神宮農園(ブログ)
http://shingunoen.exblog.jp/
・2012年1月8日投稿「特別栽培米」
http://240yamaneko.blogspot.jp/2012/01/blog-post_08.html

この方法で作られたお米は「田ノ浜とらやま共生米」として、オリジナルの紙袋に入れて販売されます。

このブログでお米づくりのご紹介をしてきましたが、お米の種もみづくりを始めたのが4月19日、4月30日には種まきをして、田植えは6月1日でした。
虫にやられたり、台風が来たりしましたが、10月2日に稲刈りが行われました。
そしてとうとう新米が食べられます!
私もまだ食べていないのですが、最初からお米づくりの様子を見させてもらったお米を食べるのは初めてなので、ワクワクしています。

販売価格は1kgで500円、10kg以上の場合は4,500円(1kgあたり450円(10kgで4,500円)、送料は実費です。
送料ですが、関東地方の場合はヤマト運輸だと10kgで1,270円だそうです(ゆうパックは1,200円)
上県町佐須奈・中山周辺だったら配達してくれると思います(応相談)。
※ちょっと修正しました(10/15)

ご希望の方はメールでご連絡ください。
メールアドレス:240yamaneko★gmail.com (★を@に変えてください)

田ノ浜の田んぼはあまり広くないので全収量もそれほど多くはありません。
一般に流通する事はあまりないみたいですので、興味をお持ちの方は、この機会に是非。
新米のうちに是非!

2012年10月4日木曜日

米の収穫

10月2日(晴)、お米の収穫をしました。

               
 
                刈り取り前

初めに神宮さんが、となりの「田んぼの学校」のを刈り、その後がうちの番でした。枕うねを神宮さんに刈ってもらい、その続きを自分で刈りました。バインダーを借りたのですが、1列刈って向きを変え、次の列を刈り始めるところがむずかしく、だいぶ刈り残してしまいました。(あとで鎌で刈りました)
刈り取りは午前で終わり、午後、中山に脱穀機を取りに戻り、3時過ぎから脱穀作業でした。この日は途中で終わり。

 
 3日(曇り)は朝から脱穀の続きでした。米を脱穀機にかけたり、機械の移動は主に神宮さんで、私は米の束を拾い、脱穀機に乗せる担当でした。腰を曲げたり起こしたりの繰り返しでした。
午後3時過ぎに脱穀が全部終わりました。収量は、「田んぼの学校」がチャック付の米袋に13袋、私は16袋でした。


              収穫後 (わらと米の袋)

 
 米の乾燥は田ノ浜の乙成さんの乾燥機にお願いしました。

 
 今朝、乾燥が仕上がりました。乾燥したら全部で22袋になっていて、「田んぼの学校」に10袋、私は12袋に分けました。去年より4袋増でした。まだ精米はしていないので味はわかりません。

 
 お米を育てている間は、米の病気・虫・水の量・シカやイノシシなど、いろいろ心配でした。収穫が済んで、今は一安心です。


 

2012年9月30日日曜日

投票再開!第7回投票受付中

しばらく休止しておりました投票を再開しました!
今回の質問は「あなたはイヌ派?ネコ派?」です。

10/25までの受付です。
どうぞお気軽にポチっとしてください(笑)

2012年9月21日金曜日

9月のカヤネズミ

少しずつ涼しくなってきました。

9月のカレンダーですが、風景だけではなく、左下にはススキと一緒にカヤネズミがいます。

カヤネズミ(学名 Micromys minutusは日本で一番小さなネズミです。
(世界最小のネズミはアフリカ南部に生息するコビトハツカネズミ Mus minutoides だそうです)
日本では本州(太平洋側は福島県以南、日本海側は石川県以南)、四国、九州(対馬も)、隠岐や淡路といった島にも生息しているそうです。

皆さんはススキやチガヤなどの中に葉っぱが丸まったものを見かけた事はありませんか?
鳥の巣だと思っているものでもカヤネズミの巣かもしれません。

カヤネズミの繁殖期は関東だと夏、九州などでは春(~初夏)と秋(~初冬)の2回あるのだそうですが、この時にススキなどの葉を使って繁殖用の巣を作り、この中で出産・子育てをします。
1回の繁殖期に複数回出産し、1回の出産で5頭前後の子を産むそうです。
・神奈川県立生命の星・地球博物館 自然科学のとびら10巻4号:最小のネズミ「カヤネズミ」
http://nh.kanagawa-museum.jp/tobira/10-4/yamaguchi.html
・東京ズーネット うごく!動物図鑑:カヤネズミの巣作り(動画)
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0302_03/index.html
・NHK for School:カヤネズミの巣作り(動画)
http://cgi2.nhk.or.jp/school/search/freeword.cgi?kw=%E3%82%AB%E3%83%A4%E3%83%8D%E3%82%BA%E3%83%9F%E3%81%AE%E5%B7%A3%E4%BD%9C%E3%82%8A&cat=c

この時期のカヤネズミは子育て中で、巣には触れず、遠くから優しく見守って下さい と、全国カヤネズミ・ネットワーク(カヤネット)が呼びかけています。
このHPにはカヤネズミの色々な情報が掲載されていますし、営巣の情報も集めているので、巣を見かけた方は報告してはいかがでしょうか。
・全国カヤネズミ・ネットワーク
http://kayanet-japan.com/

2012年9月18日火曜日

今日の米

 昨日は台風16号が対馬の近くを通って行きました。通り過ぎた後も風が強く、台風の大きさを感じました。台風なのでハウスや田んぼを心配しながらも、昨日は一日休めました。
 今日は、中山のハウスへの道の途中には木が倒れていたり、スギ、ヒノキの枝や葉もたくさん落ちていました。
そしてハウスはビニールが破れていました…。入口近くが2~3メートル位ですが…。
中のインゲンは無事でした(ミニトマトは終わり、今はビックリジャンボというインゲンを作ってます)

 中山の後は神宮さんの手伝いで田ノ浜へ行きました。帰りに自分のお米を見てきました。
台風のせいか、はしの一列が倒れていたので起こしました。

田んぼの中、所どころにノギが黒っぽいの(赤米か黒米?)や、他より背が高く、穂の色づき具合がちがうの(もち米?)がありました。種もみの時から混ざってて、お米と一緒に植えてしまったみたいです。
 
もったいないですが、切って田んぼの外に出しました。自分や家族が食べるだけなら少しくらい混ざっていてもいいですが(混ざってるほうがおいしいかも)、人に売るにはよくないですよね。 
 
 
台風やその前の秋雨で、田んぼには水がまだたくさんあります。水はもうなくていいので、排水口から出しました。水の中でオオミズバコが咲いていました。これは抜かずに残しました。オオミズバコが咲いているのを見ると、(今年もこの田んぼ大丈夫か~。咲いてくれてよかった~)と思います
 
 
 
 
 

2012年9月15日土曜日

9月のカレンダー

今日9月15日は「ひじきの日」だそうです。
制定したのは三重県ひじき協同組合だそうですが、ひじきなら対馬も負けてないですよね!
・日本ひじき協議会:ひじきの日
http://www.hijiki.org/html/content07.htm

さて、秋になると少しずつ空気が澄んで、風もさわやかになってきますよね。
9月のカレンダーは、そんな風が感じられるような1枚です。
(大型の台風16号が対馬方面に進んでいるところなので、さわやかな風とか言っていられる状況でもないですが・・・)

もう2013年のカレンダーが発売されているようですね。
川口さんのカレンダー情報を入手したら、こちらでお知らせします!

2012年9月13日木曜日

環境省レッドリストとツシマクロアカコウモリ

前回↓から少々日が経ってしまいましたが、続きです。
・2012年9月5日投稿「環境省レッドリストの改定」
http://240yamaneko.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html

今回の改定で私が注目したのは「ツシマクロアカコウモリ」でした。
第3次で情報不足(DD:Data Deficient)にされていたのが、第4次では「クロアカコウモリ」として絶滅危惧ⅠA類になっていたからです。

理由は2つ。
1)ツシマクロアカコウモリの「ツシマ」がなくなっている事:対馬固有ではない?
2)情報不足としていたものが絶滅危惧ⅠA類になっている事:新しい情報が得られた?

東海大出版会から出ている「日本の哺乳類」(監修:阿部永、1994年発行)の改定版(2005年発行)では、クロアカコウモリ Myotis formosus として以下のように書かれています。
・日本では対馬だけから知られ、まだ10頭以下の採集記録しかない。
・朝鮮半島産とともに、他地域とは異なる亜種ツシマクロアカコウモリ(M. f. tsuensis)と考える研究者もいる。
・環境省のレッドリストでDDとされているが、これは日本で唯一の採取記録のある対馬での発見場所やその状態から、そこでの繁殖が疑われているからである。したがって、朝鮮半島より対馬に時々迷って帰来する、いわゆる「迷蝠」だとする意見もある。

どうやら1)については、「対馬のクロアカコウモリ」という亜種があるという説は一般的ではないようです。
(そしてこの亜種とする説でも、「対馬の」とは言っても朝鮮半島とは同じ亜種で、対馬固有ではないということですね。)

2)についてですが、2007年に「哺乳類科学」(哺乳類学会の和文誌)に「対馬のコウモリ類」(河合久仁子ら)という報告が出ており、2006年に上対馬町と厳原町のそれぞれで雌雄1組の計4個体を確認したそうです。
これにより、「現在でも対馬に生息している可能性が高まった」が「生息している個体は少ないと言えるだろう」としています。
この情報を元にDDから絶滅危惧ⅠA類になったのではないかと思います。

環境省は今回公表した第4次レッドリストに基づいて、改定版レッドデータブックを2014(平成26) 年に発行予定とのことですので、詳細はここに書かれるのでしょう。
早く出てほしいですね。

ちなみに小型のコウモリ類は洞窟をねぐらとして利用するものも多いのですが、クロアカコウモリは森林(樹洞、樹冠、樹皮下など)を利用している可能性が高いそうです。
森の中でコウモリが飛んでいたら、クロアカコウモリかもしれませんよ。
・NHK ダーウィンがきた!:第55回「黄金コウモリ大発見」(韓国のクロアカコウモリ)
http://www.nhk.or.jp/darwin/program/program055.html

2012年9月5日水曜日

環境省レッドリストの改定

環境省版レッドリストの最新版が公表されました。
・環境省報道発表資料:第4次レッドリストの公表について(お知らせ)

レッドリストというのは絶滅のおそれのある野生生物のリストのことで、初めて作成したのは国際自然保護連合(IUCN)で、1996年のことでした。
以来、色々な国や地域で、色々な団体がレッドリストを作成しています。
・IUCN日本委員会:IUCNレッドリスト(日本のレッドリストについても書かれています)

日本では1989年に日本自然保護協会(NACS-J)と世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が「我が国における保護上重要な植物種の現状」という植物のレッドデータブック(レッドリストに基づいて生息状況などを取りまとめた本)を発行したのが最初です。

環境省の初めてのレッドリストは、1986(S.61)年から行った調査の結果を踏まえて1991(H.3)年に発行した環境省版レッドデータブック「日本の絶滅のおそれのある野生生物-脊椎動物編」及び「日本の絶滅のおそれのある野生生物-無脊椎動物編」です。
今回公表されたのはその最新改定版で、前回の第3次レッドリスト公表からは5年ほど経っています。

レッドリストのカテゴリー(ランク)は最初の頃とは少し変わっていますが、ツシマヤマネコは当初より絶滅の恐れがもっとも高いランクに入れられています。

第3次、第4次の分け方だと、絶滅危惧ⅠA類(CR:Critically Endangered)の「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」で、個体数が極めて少ないとか減少しているとか、情報が極めて少ないとかいった判定基準に基づいています。
・環境省レッドリストカテゴリーと判定基準(2012)

今回の改定では、ニホンカワウソや九州のクマが絶滅とされたことなどが大きく取り上げられましたが、私が注目したのは第3次で情報不足(DD:Data Deficient)にされていた「ツシマクロアカコウモリ」。
第4次では「クロアカコウモリ」として絶滅危惧ⅠA類になっていました。
これはなぜだろうとTwitterでつぶやいて、前回のブログのコメント欄にご意見いただいたのですが・・・
・2012年8月26日投稿「薬かけ」

長くなってしまったのでこの続きは次回に!

2012年8月26日日曜日

薬かけ

 
 
今日は田んぼへ薬かけと、そばの種まきの準備で田ノ浜へ行きました。
私が着いたときには、もう神宮さんが薬をかけてくださった後でした。
薬かけは、エンジンの付いた機会を背負って田んぼの中を歩くので、重労働です。
どうもありがとうございました。
かけていただいた薬は、「グラシントレボン粉剤」というのでした。適用病害虫は、
いもち病、ごま葉枯病、穂枯れ、変色米、ツマグロヨコバイ、ウンカ類、カメムシ類と、薬の袋にありました。お米にはたくさんの病害虫があるのですね。
そば畑の草刈りを終えて田んぼに寄ったら、お米の穂が出ていました。お~。米だ~。とうれしくなりました。今日の薬の効果で、カメムシ米(米つぶが黒くなる)が少なければよいと思います。

葉も新しいのが出てきて、コブノメイガに喰われた跡は、あまり目立たなくなっていました。
心配するだけで、何も対策しないうちに被害が済んでしまったみたいです。
 

2012年8月24日金曜日

対馬のヒゴタイ

前回カレンダーとあわせてご紹介したヒゴタイ。
・8月のカレンダーはツシマテンとヒゴタイ(2012年8月18日)
http://240yamaneko.blogspot.jp/2012/08/8.html
・対馬植物図鑑:ヒゴタイ
http://plant.kacchell-tsushima.net/?eid=119

長崎県が2001年に作成したレッドデータブックには、絶滅危惧ⅠB類に掲載されています(2011年に改定されたレッドリストでも同様)。
日当たりのよい乾いた草原に生えるそうで、かつては九州では普通に見られたようなので、対馬でもそれなりに多かったのではないかと思うのですが、今では限られた所にしか生育していないようです。
・長崎県自然環境課/長崎の希少な野生動植物/RED DATA BOOK 2001 ながさきの希少な野生動植物 普及版(P.52)
http://www.pref.nagasaki.jp/sizen/2reddata/rdb2001/rdb2001-pub-pdf/3botany-69.pdf
・長崎県自然環境課/長崎の希少な野生動植物/維管束植物(2011年公表のレッドリスト)
http://www.pref.nagasaki.jp/sizen/2reddata/sub2.html

私が見たことがあるのは上県町井口浜近くで、2箇所ありました。

1箇所は道から少し入ったところで、草が茂った中でしたが、日当たりも風通しも良いところでした。
最初に見つけたのは15年ぐらい前で、その後しばらくは見られたのですが、数年前に見に行った時には草刈が行われた後だったようで、見つけられませんでした。
多年草なので、一度刈られてもまた生えてくるのではないかと思いますが・・・。

もう1箇所は道路脇の斜面に生えていて、こちらも数年は見られました。
車からも見える程目につきやすいところだったのですが、少し高いところにあったので、採られる事もなく残っていたのだろうと思います。
しかし、道路の拡張工事で斜面が丸ごと削られてしまい、その後は見られません。
工事の時にどこか近くに移植してくれてたら、と思うのですが、どうだったのでしょうか。
花が咲いていなければわかりにくいですし、花に気付いても希少な植物だとは分からなかったかもしれません。

こうやって多くの人が気付かないうちに色々な生き物が減っていっているのでしょう。
まずは多くの人に知ってもらうのがいいのだと思います。
あの斜面のヒゴタイは、そこにある事も工事が始まる事も知っていたんだから、あの時ちゃんと言えばよかったな、と後悔しています。

2012年8月18日土曜日

8月のカレンダーはツシマテンとヒゴタイ

もう半分以上過ぎてしまいましたが・・・8月のカレンダーをご紹介します。

今月はツシマテンです。
かわいらしい顔つきで、もしかしたらまだ小さいのかもしれません。

左下にあるのはヒゴタイです。
ヒゴタイ(学名Echinops setifer)はキク科の多年草植物で、花は8~9月にかけ咲きます。

朝朝鮮半島の南部から、西日本に分布しています。
以前は九州では普通にみられたそうですが、むやみに採取されたことで野生種は少なくなり、環境省が2007(H.19)年に公表したレッドリストでは、絶滅危惧Ⅱ類(VU)にあげられています。

江戸時代からよく栽培されていたそうで、九州ではお盆にお供えするお花にもよく使われるとか。
ちなみにヒゴタイの名前は「平行帯(ひんこうたい)」とか「平江帯」いうのが元らしいのですが、よくわかっていないようです。

熊本県産山村にはヒゴタイ公園というのがあるそうですよ。
・産山村 観光情報/景勝スポット:ヒゴタイ公園
http://www.ubuyama-v.jp/2005/10/18-164253.html

ツシマテンについては7月のカレンダー紹介でも書いたので、こちらもご覧ください。
・7月のツシマテン(2012年7月9日)
http://240yamaneko.blogspot.jp/2012/07/7_09.html


2012年8月12日日曜日

コブノメイガ

松本さんの投稿に出てきた「コブノメイガ」、気になったので調べてみました。

チョウ目ツトガ科ノメイガ亜科で学名はCnaphalocrocis medinalis
ちなみにチョウ目ですが、以前は鱗翅目(りんしもく)と呼ばれていたものです。
同様に直翅(ちょくし)目はバッタ目、蜻蛉(せいれい)目はトンボ目などと呼ばれるようになっています。

さて、このコブノメイガ、日本全国で見られるようなのですが、10度以下になると死滅するため九州以北での越冬は不可能で、中国南部から毎年梅雨時期に飛来して、水田で数世代増殖するそうです。
・みんなの農業広場:営農相談コーナー
http://www.jeinou.com/consultation/qa/rice_farming/2011/06/28/153300.html

そのためかコブノメイガが発生する頻度は西日本各地、北陸、東北の日本海側で高く、九州地方の被害が多いのだそうです。
松本さんの話では、年によって発生する量にかなりの違いがあるようです。

調べていくと、色々な県で病害虫防除のための情報をたくさん出しているのがわかりました。
長崎県だと病害虫防除所というのがあるのだそうです。
・長崎県病害虫防除所:平成24年度病害虫発生予報第4報(平成24年7月18日)
http://www.jppn.ne.jp/nagasaki/pdf/24yoho/24yoho04.pdf
・長崎県病害虫防除所:平成24年度病害虫発生予察防除情報第9号(平成24年7月18日)
http://www.jppn.ne.jp/nagasaki/pdf/24bojo/24bojo09.pdf
・佐賀県営農支援情報、病害虫診断支援-水稲 全体症状と防除対策:コブノメイガ
http://www.pref.saga.lg.jp/sy-contents/shigoto/nogyo/nougyoushikensenta/kenkyu/nouse/by/by2.php?sa=ine&bg=kob

コブノメイガだけでなく、たくさんの情報が出ていました。
こういった中から目的の情報を探すのは結構大変のような気がします。
こういう情報は、どのぐらい農家の方々に届いているのでしょう?

対馬の蛾についてはこちらにまとまっていますので、興味のある方はこちらをご覧ください。
・WEB図鑑 対馬の蛾類
http://yohbo.main.jp/moth_zukan/moth_zukan.html

2012年8月4日土曜日

水入れ

昨日の午後と今日の午前、トマトの収穫の合間に、田んぼに水を入れて来ました。
田んぼを見たら、半分くらいが枯れたような色になっていました。コブノメイガの幼虫に食べられた跡でした。

細長い葉の左右をくっつけて、中に幼虫が入っていました。


田んぼに水を入れながら、幼虫捕りをしてみましたが、葉がしっかり閉じてあって開けずらく、
開けると幼虫がぴちぴちくねくねして、田んぼの中に落ちてしまい、なかなか捕まえられませんでした。田んぼ全体にいて、手取りは無理でした。

田んぼは地面がひび割れるほどに乾いていました。そのせいで枯れてはいませんでしたが、生育にはよくなっかたです。この先、雨もあまり降らいようなので、もっとまめに田んぼに行かなければ。ごめんよ、お米さん。と思いました。

2012年7月31日火曜日

【投票】第6回結果と第7回開始


ブログトップの右上にあります投票コーナー。
第6回の投票を25日に締め切りました。

今回の質問は「対馬市は何県?」で、選択肢は以下の4つでした。
・もちろん長崎県
・福岡県だと思ってた
・九州なのは知っていた
・全然わからなかった

そしてその投票結果ですが・・・「もちろん長崎県」が100%!
って投票数が1だったんですけどね。

対馬市は長崎県の離島で、対馬島と周辺の島々からなります。
対馬島は約700平方キロで、全国の離島の中では佐渡島、奄美大島に次いで3番目に大きいそうです(沖縄本島と北方領土を除くと、ですが)。
・ながさきのしま:長崎のしま紹介【対馬】
http://www.pref.nagasaki.jp/sima/island/tsushima/profile/index.html

いわゆる「平成の大合併」で2004(平成16)年3月1日に誕生しましたが、それまでは上県(かみあがた)郡の上対馬町・上県町・峰町と下県(しもあがた)郡の豊玉町・美津島町・厳原町の6町でした。
廃藩置県までは対馬府中藩が置かれており、対馬国や対州(対州)と呼ばれていたそうです。
「對馬国(対馬国)」は魏志倭人伝にも登場してくるとの事。
 縄文時代の遺跡もいくつかあり、歴史の感じられる島です。

位置的には九州本土だと長崎よりも佐賀県の方が近いね、と言われた事があります。
最初はえ?と思ったのですが、佐賀には対馬藩の飛び地があったんですね。
・ワクワク!おぎ:街道ばゆく-佐賀を歩いてみる-その5.対馬藩領田代宿
http://www.wakuwaku-ogi.com/kaidou/5-tajiro.html

当時は佐賀との行き来が多かったのでしょうが、今は佐賀県へは長崎か福岡を経由しないと行けません。
一番便利なのは福岡で、飛行機と船があります。
飛行機の場合、便数は福岡行きも長崎行きも同じぐらいですが、長崎便はプロペラの39人乗り、福岡行きは100人以上のジェット機です。
・ANA SKY WEB:ボーイング737-500
http://www.ana.co.jp/dom/inflight/seatmap/b35/
・オリエンタルエアブリッジ:機材・座席表
http://www.orc-air.co.jp/service/seat.html

そして船の場合、福岡にはジェットフォイルとフェリーとが出ています。
そして何と、長崎航路はないのです!(貨物はあるのかも)
・対馬市:対馬市へのアクセス
http://www.city.tsushima.nagasaki.jp/web/profile/post_35.html

夏休み、対馬へ里帰りされる方、遊びに出掛ける方、きっとたくさんいると思います。
どうぞよい夏休みをお過ごしください。

さて、めげずに次の投票受付を開始します。
第7回は「あなたはイヌ派?ネコ派?」です。
訪問ついでに気軽にポチっとしてもらえると嬉しいです。
と書いたのですが、只今投票のシステムがうまく機能しないため、休止しております。
トラブルが解消したら再開します。
9/29再開です!

2012年7月20日金曜日

畔の草刈り

今日は、田んぼのまわりの草を刈払機で刈りました。
今まで天気が悪かったり、ミニトマトの収穫が忙しく、なかなか田んぼに行けませんでした。
それに、去年の秋から田ノ浜への道が土砂崩れで通れず、う回路を通らねばならなくて、気軽に行けなくなってしまいました。(言い訳)
他の田んぼの畔は、はきれいに刈ってあるのに、私のところだけほったらかしで草ぼうぼうで、だらしなさそうです。

草を刈った後。下手ですが、すっきりしました。


 

 田んぼの中の水の少ないところでは、ヒエなど出ていたので抜きました。
草を取りながら田んぼの中を歩いていると、私の前を白っぽい小さいちょうちょが
たくさん飛び立ちます。コブノメイガのようでした。次に行ったときには、葉っぱの中に、
幼虫とうんこが、たくさん見られるかもしれません…。

2012年7月17日火曜日

田ノ浜

「田ノ浜」は対馬の北西の小さな半島部にある小さな集落です。
http://www.mapfan.com/m.cgi?MAP=E129.17.43.2N34.33.58.7

平成24年6月末現在の人口は、8世帯19名だそうです。
・対馬市オフィシャルHP:民基本台帳月報(地区別集計)
http://www.city.tsushima.nagasaki.jp/system/images/population/201206.pdf

でも、住所表記上は「対馬市上県町志多留」なんですよ。
http://goo.gl/maps/NJ5e 


環境省が「日本の重要湿地500」というのを選定しているのですが、この1つに田ノ浜が選ばれています(対馬からは3箇所)。
対馬では唯一抽水植物(水底に根を張り、茎や葉が水上に出ている植物)が発達する湿地で、希少種となった昆虫が生息しているのがその選定理由のようです。
・環境省インターネット自然研究所「日本の重要湿地500」:対馬・田ノ浜
http://www.sizenken.biodic.go.jp/wetland/379/379.html

ここには希少な植物や昆虫が生息しているだけでなく、渡り鳥も多くやってきます。
そしてツシマヤマネコも。
この地域では長く調査が行われており、その間ずっとツシマヤマネコが定住し、繁殖していることも確認されているようです。

この重要湿地の選定結果が公表されたのは2001(平成13)年。
その後、2004(平成16)年から圃場整備が行われましたが、この際、これらの野生動植物に配慮した整備事業が行われました。

そして今、ここではこれらの生きものたちとの共生を目指したお米づくりが行われています。
豊かな自然がいつまでも変わらず、さらに今以上に豊かになるように。

「田ノ浜」で検索してみたところ、たくさん画像が出てきましたので、いくつかご紹介を。
これで田ノ浜に行った気分を味わっていただき、もしお気に召したら実際に足を運んでみてもらえると嬉しいです。
・よかとこBY・写真満載九州観光
http://www.yado.co.jp/kankou/nagasaki/tushima/tanohama/tanohama.htm
・コッポーモンの独り言。。tsushima:対馬の原風景・・・
http://blogs.yahoo.co.jp/mn22722/7559462.html
(↑リンクを貼り間違えていたので修正しました7/18)
・大阿蘇探検倶楽部:上県灯台と田ノ浜地区
http://blogs.yahoo.co.jp/ooasotanken/23636992.html

2012年7月9日月曜日

7月のツシマテン

対馬のいきものたちのカレンダー、左下にも色々な動物が潜んでいますが、7月はツシマテンです。

「ツシマ」と名がつくツシマテン。
学名はMartes melampus tsuensis で、本州・四国・九州にいるホンドテンMartes melampus melampus とは種のレベルでは同じなのですが、対馬の固有亜種とされています。

このため、学術上貴重であるとの理由で国の天然記念物に指定されています。
・文化庁 国指定文化財等データベース:ツシマテン

全国的にも世界的にも対馬にしかいないのですから、貴重ではありますが、対馬ではどこでもよく見られますし、人家の屋根裏に入り込んだりするので、厄介者扱いされる事も多いようです。

ツシマテンに限らず、昔はテンの毛皮は防寒具としてよく利用されていたようですが、こういう時の毛皮は黄色。
冬毛の黄色い姿の方が有名かもしれませんが、夏になるとこんなに黒くなります。

この写真はまだ小さいツシマテンのようですね。
ツシマテンは夏に交尾するのですが、受精卵がすぐには着床せず(着床遅延)、出産するのは春先で、一度に生まれるのは1~2頭だと言われています。


2012年7月2日月曜日

お米の成長

田植えから一か月たちました。

田植えしてすぐの写真です。緑がうっすら見えますが、一か所に1,2本しかなかったり、苗がとんで植わっていないところもあり、さびしい感じでした。
後日、苗の少ないところに余った苗をさし、除草とガス抜きのために手押しの除草機をかけました。


 
 
今日の田んぼです

一株の本数も増えました。
 

田んぼの水は少な目で、土が出ているところもありましたが、今夜は雨が降る予報が出ていたので、水は入れませんでした。

2012年7月1日日曜日

7月のカレンダーはゲンジボタル

今年も半年が過ぎ、7月になりました。
7月になると夏到来というイメージがあり、今日が海開きのところも多いようですが、梅雨があけているのは沖縄と奄美だけですよね。

今月のカレンダーはゲンジボタルです。

ゲンジボタル(学名 Luciola cruciata)は本州・四国・九州とその周辺の島々に分布していて、日本では一番一般的だとされるホタルではないかと思います。

対馬でも全島的に生息しているようですが、川辺に産み付けられた卵からかえったあと、幼虫は川の中でカワニナ(巻貝)などを食べて生活するので、餌が多くいるきれいな川でなければうまく育たないのだそうです。
幼虫は春過ぎに上陸してさなぎになり、そして初夏のこの時期に羽化して飛び立ち、我々の目を楽しませてくれるのですが、成虫になってからは何も食べず、10日ぐらいで死んでしまうのだとか。

最近は川が汚れて十分な餌がとれなくなったり、コンクリートなどで護岸された事によってうまく上陸できなかったりして、ホタルが見られるところは減ってきているようです。
また、ゲンジボタルが光るのは繁殖相手を探すためですが、周辺に明りが多すぎるとうまく相手を見つけられないらしく、人工的な明かりが多すぎるのも減少の要因だそうです。
ゲンジボタルを見つけたら、そこにはホタルが暮らしてきた川があり、色々な生き物が近くにいる事も思い出してほしいなと思います。

対馬にはゲンジボタルのほかに、ヘイケボタル・ツシマヒメボタル・アキマドボタル・オバボタルと、5種のホタルが生息しています。
オバボタルは6月、アキマドボタルは9~10月に見られるホタルですが、それ以外はこの時期に見られるそうですから、夕涼みがてら探してみてはいかがでしょうか。

2012年6月26日火曜日

【投票】第5回結果発表と第6回の開始

25日に第5回の投票を締め切りました。
今回の質問は「対馬の郷土料理と言えば?」で、選択肢は5つ。
・いりやき
・かすまき
・対州そば
・とんちゃん
・ろくべえ

結果・・・投票数は3票(涙)。
「いりやき」 2票、67%
「とんちゃん」 1票、33% でした。

「かすまき」は郷土料理というか、対馬の伝統的なお菓子です。
壱岐にもあるのですが、少し様子が違います。
・対馬観光物産協会:おみやげ
http://www.tsushima-net.org/gourmet/goods.php
・壱岐観光情報:壱岐島自慢のグルメ
http://www.iki-brand.jp/gourmet/

1つ1つを語ると止まらなくなりますので割愛して・・・その他は↓をご覧ください。
・対馬観光物産協会:郷土料理
http://www.tsushima-net.org/gourmet/food.php

島外からのお客様にどれをお勧めするか、いつも悩んでしまうのですが、これからは迷わずいりやきを第1にお勧めする事にします!
「いりやき」には魚と地鳥とがありますから、どちらをお勧めするかは悩ましいですが(笑)、いいお魚があればお魚、いつでも楽しめるのは地鳥、ですよね。

旅の楽しみはその土地の食べ物という人もいますよね。
対馬にいると当たり前のように思える事もありますが、四季折々に新鮮な海山の幸を楽しめる、その自然があるというのは対馬のいいところの1つでしょう。
いつまでも地のものを堪能できる豊かな自然が残ってほしいと思います。

次の投票も開始します。
対馬の郷土料理はご覧いただけた皆様にはあまり馴染みがなかったのでしょうか・・・第6回は初心(?)に返って「対馬市は何県?」です。
ぜひご投票ください!

2012年6月22日金曜日

続・沖縄のツシマヤマネコ


前回に引き続き、ツシマヤマネコ「ごくう」がいる沖縄こどもの国のご紹介です。
・沖縄こどもの国
http://www.kodomo.city.okinawa.okinawa.jp/

ごくうの隣には、アムールヤマネコの「むさし」「みずき」がいました。
ツシマヤマネコはベンガルヤマネコの亜種で、学名はPrionailurus bengalensis euptilurusです。
日本にはツシマヤマネコしかいないため、この学名に対応する和名は「ツシマヤマネコ」ですが、大陸にも同じ亜種が生息しており、アムールヤマネコと呼んで区別されます。
(上の写真の看板ではアムールヤマネコの学名がFelis bengalensis euptilura となっていますが、最近はPrionailurus bengalensis euptilurus がよく用いられるそうで、環境省もこれを使っています)
 ←むさし
むさしもみずきもツシマヤマネコだと言われたら信じてしまうでしょう。
むさしとみずきは井の頭自然文化園から来たそうです。
井の頭自然文化園にもツシマヤマネコとアムールヤマネコがいますので、機会があったらぜひ見比べてみてください。
・井の頭自然文化園

-------番外編-------
ヤマネコたちのお向かいはクマでした

ヤマネコたちの奥のタヌキ(顔が・・・)